新年のご挨拶
PACガーディアンズ理事長 佐藤彰一より謹んで 新年のご挨拶を申し上げます。
さて、昨年を個人的に振り返って今年のスタートをしたいと思います。
1)昨年の権利擁護関係でまず特筆すべきは、成年被後見人の選挙権回復でしょうね。
公職選挙法の選挙権剥奪規定を憲法違反であると判断して成年被後見人に選挙権を認めた3月14日の東京地裁判決に始まる社会的な動きは、私も驚くばかりでした。マスコミの動きや、さまざまな人々の動きをみるにつけ、へええ、と勉強をさせていただきました。民事訴訟法の論点としてもおもしろい論点を含んでいたのでいずれゆっくり振り返りたいと思っています。
2)上記とも関係しますが、障害者権利条約が批准されました。その前提として各種国内法令が整備されたのですが、障害者差別解消法の成立や、障害者優先調達推進法や精神保健福祉法の改正が昨年中にあったことは批准の話も含めてあまり報道されていません。差別解消法、どこまで実効性があるのかまだ不明確ですし、精神保健福祉法の改正については、保護者制度を廃止したのはいいとして実質的には改悪ではないかという議論すらでています。
3)全国権利擁護支援ネットワーク(AS-J)は、昨年、参加団体が75を超えました。申し込みがどんどん増えつつあります。ありがたいことです。今年の全国フォーラムが2月14日、15日に国学院大学でありますが、そこへは、昨年8月にソウルにネットで訪問した際にお世話になった韓国成年後見学会の先生方と第一線で意思決定支援を担当している福祉スタッフの方がお見えになります。韓国の新成年後見法の最新情報が聞けると期待しています。
※ ネットのサイトはこちら。http://www.asnet-japan.net/
4)千葉県内を対象にした千葉県権利擁護支援ネットワークが昨年立ち上がりました(MCAP)。弁護士、司法書士、社会福祉士、行政マン、などなど、法的な側面で権利擁護支援にあたる専門職のネットワークです。まだまだ活動実績が少なくて、どうなることか先行き不透明ですが、参加専門職は、千葉県内の法的支援ですごい活動をされているばかりです。大いに期待がもてます。2月6日に佐原で「なんでも相談会」を実施します。
MCAPのサイト http://chiba-mcap.info/
5)暮れに入って、千葉県立袖ケ浦福祉センターで深刻な障害者虐待が発生していることが報道されました。障害者虐待については、防止法施行の2012年10月1日のその日に館山の障害者施設で虐待があることが通報され大きく報道されたのですが、今回のものはより以上の激震が走っています。まだ発覚したばかりで事実関係の詳細などが明らかになっていないところがありますが、非常に深刻です。
本年も引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。