厚生労働省平成20年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研 究プロジェクト)

PACガーディアンズ

厚生労働省平成20年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研 究プロジェクト)

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事業

平成20年度障害者保健福祉推進事業

都道府県名、市町村名又は公益法人等名
特定非営利活動法人PACガーディアンズ

①事業名

障害者を対象とした後見支援法人の役割

-プロジェクト・メーテル-

②事業実施概要  生涯にわたる障害者の生活に母のように寄り添う後見支援のありかたを既存の制度である成年後見制度に加えて、街の友人であるコミュニティフレンド活動や信託・保険といった金融制度などの研究を加味して探った
③国庫補助精算額 10,500千円
④事業実施期間 平成20年4月1日 から 平成21年3月31日 まで
⑤事業実施場所 千葉県
⑥事業の具体的内容

(1) 障害ゆえに日常生活上の判断が充分にできない方のために、その生涯にわたるライフスタイルの変化に対応できる権利擁護制度の利用支援の仕組みを、理論面・実践面から探った。
a)この検討のために学識経験者からなる権利擁護・自己決定の委員会を立ち上げ(委員長・佐藤彰一法政大学教授:弁護士、委員・池田恵理子社会福祉士、名川勝つくば大学講師、上山泰つくば大学准教授、菅富美枝法政大学教授、大塚晃上智大学教授)、数回委員会を実施しそれぞれの意見交換を行った他、ゲストスピーカーとして平田厚弁護士、服部高宏京大教授をお招きして権利擁護、自己決定、ケアの実践についての内外の研究状況を検討した。
この委員会の成果は、それぞれの報告をまとめゲストの話を起こしたものを活字媒体にしたうえで、後述の保険・信託委員会の最終報告と統合の上、成果物として提出する。成果物タイトル「自己決定/後見支援研究会報告書――障害のある人の生涯を支え合う社会づくりのために」
b)また、このメンバーに加えて、全国の権利擁護活動の第一線で活躍する実践者を集めてシンポジウムを行い、権利擁護の意味、実践面での工夫について斬新な意見交換を行った。その模様は、成果物「千葉県発、障害がある人の後見支援をこう考える:PACガーディアンズの経験と主張」として作成・提出する(別冊資料もあり)。
c) 財産・金融面での支援のために保険・信託に関わる委員会を立ち上げ、障害者の権利擁護機能をいれた保険を運営している保険会社の関係者と弁護士4名で検討を行った。さらに社協の自立支援事業の中での財産管理活動について東社協の担当者の話を伺ったほか、日本の福祉信託の第一人者である赤沼康弘弁護士との意見交換の機会をもった。なお、この会議の後半では、生涯支援のいったんとしての災害時の緊急融資、福祉施設のリスク管理などの検討の必要性が意識され、それぞれ実践者の実情報告をいただいた。この委員会の活動結果については、前述の権利擁護・自己決定委員会の成果報告書に併合して掲載してある。
(2) 権利擁護活動は権限や責任を明確にした公的・社会的事業として行われる必要があるのはもちろんであるが、日常的な見守りを担うためには障害者と気楽に関わる街の中の友人「コミュニティフレンド」活動も重要であり、この活動が各種社会資源と連携しつつ実施されることで、障害者の生活の質、社会参加の機会を増やし、ひいては生涯にわたる生活支援が豊かになる可能性がある。
このことを本研究事業では、PACガーディアンズの実践の中で確認すると同時に、この活動を広めるための試みを下記の通り行った。
a) PACガーディアンズが行っているコミュニティフレンド活動の実践の活動を検討するため日常の運営者との検討を重ねたほか、コミュニティフレンド活動を実践している人たちの座談会を行った。
b) 外部の実践者を入れた委員会を立ち上げ(木原勇:さわやか財団、木屋英二:パオ、ほか名川勝、佐藤彰一)、数回の事前検討を行ったうえ、関東圏での活動の拡がりを探るために川崎のNPO法人「輪になろう」の荒井靖子氏と意見交換を行った他、神戸のNPO法人CS神戸にコミュニティフレンド活動の委託を行った。また、コミュニティフレンドとしては動いていないが、街の近隣の人々が障害者と日常的にふれあった就労支援が行われている地域である知多・半田の視察をコミュニティフレンド数名で行っている。
上記a)b)の活動は、成果物である「日本におけるいわゆるコンタクト・パーソン類似事業の展開と可能性に関する研究」として印刷し提出する。

 
またこの活動を展開するなかで、普及のための素材として、WEBページを作成し(http://pacg.jp/ 本報告書作成段階では残念ながらまだ試作段階に留まっている)、コミュニティフレンド活動の実際を映したDVDを作成した。また本人向けの解説冊子も作成している。これらも成果物として提出する。

⑦事業の効果及び活用方法  権利擁護・自己決定委員会、保険・信託委員会による生涯支援の研究は、障害者のその人らしい人生の実現において自己決定とパターナリズムの緊張関係が常にあること、それがケアとアドボカシーの社会化の中で実践される関係にあることが確認された。そうした広い視野の中で成年後見制度が検討されたのは、初めてのことではないかと思われる。
 市民後見人の養成、ならびに後見利用の拡大が進められる中、各地でそうした動きを担う組織が立ち上がっているが、われわれの検討結果は、それらの組織活動を評価する切り口を切り開くものである。すなわち事業者や親族の思い込みや都合だけで後見支援が行われているのか、本人の自己決定に裏打ちされた後見支援が行われているのか、という対立図式だけで後見支援を評価するのではなく、実相はより関係的であり、その相互関係を評価する視点が見いだされたといえるのである。
 今後は、こうした評価軸をよりいっそう明確にし、各権利擁護組織の活動を評価することが期待できる。
 またコミュニティフレンド活動が、全国展開できる足がかりが千葉だけでなく神戸にもできたことは貴重な成果である。活動を普及させるための素材(DVD、冊子)も作成され、今後は、さらに活動が広がることが期待される。
 委員会での議論や神戸との連携、あるいは知多・半田の視察を通じて、千葉でのコミュニティフレンド活動は1対1の個人の継続関係を基本にしているが、これはひとつの形態にすぎず、同じ目的を実現するためには、グループ対グループ、あるいは近隣のふれあいの発展など、いくつかのやり方があり、また地域の実情によって違ったやり方があってもよいことが確認されたことは大きな成果である。
 今後は、この研究で作成された普及素材と獲得された知見をもとによりいっそうのコミュニティフレンド活動の拡がりと評価が期待される。
⑦作成資料 冊子
○自己決定/後見支援研究会報告書~障害のある人の生涯を支え合う社会づくりのために
○千葉県発、障害がある人の後見支援をこう考える PACガーディアンズの経験と主張
○千葉県発、障害がある人の後見支援をこう考える PACガーディアンズの経験と主張《資料集》
○KP/CF委員会報告日本におけるいわゆるコンタクト・パーソン類似事業の展開と可能性に関する研究

○コミュニティフレンド
DVD
○友達が暮らしを変えた コミュニティフレンドのいる街

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